麻酔科
診療科の特徴
麻酔科の仕事は大きく分けて3つあります。
- 手術中の患者さんの麻酔と全身管理
- 重症患者さんの全身管理や救急治療をICU(集中治療室)や救急外来などで行なう「集中治療」
- 患者さんの「痛み」にまつわる治療を行なう「ペインクリニック」
麻酔
麻酔というのは体にメスを入れて行なう外科的治療(手術)によって生体に加わる「侵襲」や「ストレス」から患者さんを守り、手術を無事に成功させることです。
「手術が終わってからも痛みを感じることなく一日も早く日常生活に復帰していただくことが麻酔科医の仕事である。」との考えのもと、手術前の患者さんの状態の把握から手術中の全身管理、術後の疼痛管理と続く一連の流れの中で患者さんにとって最良の治療が安全・迅速・確実・快適に行なえるようにサポートすることを目的としています。
当院麻酔科は現在7名の職員(うち麻酔指導医3名、専門医2名、認定医1名)で麻酔科業務を行なっています。
また、当院は新卒医師の「初期(卒後)臨床研修」病院でもあり、2年間の研修期間のうち2ヶ月間の麻酔科研修が必須となっております。麻酔科研修では単に手術室での麻酔を研修するというのではなく麻酔・集中治療・救急の研修を2ヶ月間みっちり行うことで緊急時に患者さんの状態を正確に評価し、適切な対応ができる臨床能力を習得することを目指しています。2ヶ月の研修期間中に「100例の気管挿管実習経験」を目標として若い研修医たちも麻酔専門医や指導医とともにがんばっています。
さらに平成18年10月からは毎年1名の救急救命士の気管挿管実習も受け入れており、約2ヶ月間で30症例の気管挿管実習を行っております。
集中治療
手術による「侵襲」や「ストレス」を手術だけに限らず、すべての病気に当てはめれば「集中治療」ということになります。病気というストレスから重症に陥ってしまって「集中治療」が必要になった患者さんを正常の状態に引き戻してゆくことは私たち麻酔科医が最も得意とするところです。さらに呼吸や心臓が止まってしまったような救急患者さんを「蘇生」するというのは正常から最も遠いところに居る患者さんを「正常」な状態に呼び戻す行為であり、これこそ麻酔科医の腕の見せ所ということになるわけです。
ペインクリニック
「ペインクリニック」は「痛み」という分野に特殊な発達をした学問です。こちらも最近では「痛み」を単に麻酔薬や麻薬で神経ブロックをしたり、鎮痛薬を処方するだけでなく整形外科や精神科、心療内科といった多方面の専門家と協力して全人的治療を行なうという方向に向かっています。私どもの福山医療センターは年間の手術件数も約3600件と多く、大変忙しい病院なのでペインクリニックという痛みの患者さんについては外来診療にまでは手が回らないのが実情で、病院内の患者さんに限って麻酔科へ紹介していただいて個別に対応しております。幸い当院のすぐ近くに私たちと同じ大学の麻酔科出身の先生方がペインクリニック専門の病院を開業しておられるため、「痛み」の治療が主体となる場合にはその都度専門病院へご紹介して治療をお願いしております。また、逆にペインクリニックを受診された後に整形外科的な治療や手術が必要になった患者さんは当院へ紹介していただいて受け入れて治療を行っております。
医療関係者向け専門情報
具体的な診療内容
麻酔科の業務はは大きく3つに分かれます。
- 麻酔
- 集中治療
- ペインクリニック
麻酔
麻酔とは外科的治療(手術)によって生体に加わる「侵襲」や「ストレス」を軽減し、周術期を無事に乗り越えさせることを目的とする医療行為です。
「手術が終わってからも痛みを感じることなく一日も早く日常生活に復帰していただくことが麻酔科医の仕事である。」との考えのもと、手術前の患者さんの状態の把握から手術中の全身管理、術後の疼痛管理と続く一連の流れの中で患者さんにとって最良の治療が安全・迅速・確実・快適に行なえるようにサポートすることを目的としています。
当院麻酔科は現在7名の職員(うち麻酔指導医3名、専門医2名、認定医1名)で麻酔科業務を行なっています。
平成26年度からは耳鼻咽喉・頭頚部外科が再開され、手術症例数は年間4000例を超えることが想定されます。
また、当院は新卒医師の「初期(卒後)臨床研修」病院でもあり、2年間の研修期間のうち2ヶ月間の麻酔科研修が必須となっております。麻酔科研修では単に手術室での麻酔を研修するというのではなく麻酔・集中治療・救急の研修を2ヶ月間みっちり行うことで緊急時に患者さんの状態を正確に評価し、適切な対応ができる臨床能力を習得することを目指しています。2ヶ月の研修期間中に「100例の気管挿管実習経験」を目標として若い研修医たちも麻酔専門医や指導医とともに研鑽を積んでいます。
さらに平成18年10月からは毎年1名の救急救命士の気管挿管実習も受け入れており、約2ヶ月間で30症例の気管挿管実習を行って救急救命士が誕生しております。
集中治療
「侵襲」や「ストレス」への対応を手術だけに限らず、すべての病態に拡大すれば「集中治療」になります。生体への過大な侵襲やストレスから重症に陥り「集中治療」が必要になった患者さんを正常の状態に回復させてゆくことは手術室において全身管理を日常的に行っている我々麻酔科医が最もその力量を発揮することができる領域です。
さらに心肺停止に陥った患者さんを「蘇生」するというのは正常から最も遠いところに居る患者さんを「正常」な状態に呼び戻す行為であります。
「集中治療」は具体的には呼吸不全、心不全、腎不全、肝不全等の臓器不全、あるいはそれらの病態が同時多発的に進行する重症感染症や多臓器不全が治療対象となります。もちろん、大手術の術後急性期も集中治療の対象です。また、院内あるいは院外発生の重症患者さんも関連各科の協力の下に受け入れて集中治療をに当たっております。
現在当院の集中治療室は4床で、看護師と医師が24時間体制で管理しており、その入室患者さんの内訳(平成13年度分資料作成依頼中)は大手術の術後管理が大半を占めています。
しかしながら、集中治療室管理が長期化する症例が発生すると当院の手術症例が非常に多いこともあり、大手術後の症例であっても集中治療室への受け入れが不可能となり、手術室から病棟へ直接帰棟することを余儀なくされたり、院外からの重症患者さんの受け入れをお断りせざるを得なくなる状況がしばしば発生しております。
この現状を打開するために中等度の手術後であるが一般病棟では管理に負担がかかる患者さんや、比較的軽傷ではあるが病棟での管理は荷が重いという患者さんを主に管理する「ハイケアユニット」を4床新設し、真に集中治療が必要な大手術後や院内外の重症患者さんを現在の集中治療室4床で文字通り集中的に管理・治療する、いわば「棲み分け」を目指して院内に「ハイケアユニット」設立ワーキンググループを立ち上げて数年以内の設立を目標にして検討に入っております。
ペインクリニック
「ペインクリニック」は「痛み」という分野に特殊な発達をした学問です。最近では「痛み」を単に麻酔薬や麻薬で神経ブロックをしたり、鎮痛薬を処方するだけでなく整形外科や精神科、心療内科といった多方面の専門家と協力して全人的治療を行なうという方向に向かっています。
私どもの福山医療センター麻酔科は年間の手術件数も約3500件と多く、ペインクリニックという院内外の痛みの患者さんの診療にまでは手が回らないのが現状であり、病院内のごく一部の患者さんに限って麻酔科へ紹介していただいて個別に対応しているのが現状です。
幸い当院のすぐ近くに私たちと同じ大学の麻酔科出身の先生方がペインクリニック専門の病院を開業しておられるため、「痛み」の治療が主体となる場合にはその都度ペインクリニック専門病院へ患者さんの担当科を通じて紹介していただき、治療をお願いしております。
また、逆にペインクリニックを受診され、治療を受けられた後に整形外科的な治療や手術が必要になった患者さんは当院へ紹介していただいて受け入れ、手術治療を行っております。
以上、簡単にご紹介いたしましたように、麻酔科という科は外科、内科にかかわらずあらゆる科の患者さんをストレスや侵襲から守る、といういわば「癒し」医療サービスの提供と「危機管理」部門としての性格をあわせ持つ、中央診療部門に属する科です。この目的に少しでも近づくためにスタッフ一同日々努力をしておりますが、何しろ「マンパワー」を必要とする科でもあります。今後とも質量ともにますますの充実を目指し、地域医療に貢献できる中核病院の麻酔科として活動の幅を広げて行きたいと考えております。
手術実績
ICU/HCU実績
スタッフ
役 職 診療部長(手術・ICU担当)
卒業年度 平成12年
資 格
◆ 日本麻酔科学会認定医、専門医、指導医
◆ 日本集中治療医学会専門医
◆ 日本ペインクリニック学会専門医
◆ 麻酔科標榜医
◆ ICD
髙野 洋平(たかの ようへい)
役 職 麻酔科医長
専門分野 麻酔一般
卒業年度 平成20年
資 格
◆ 日本麻酔科学会認定医、専門医、指導医
◆ 麻酔科標榜医
山下 浩司(やました ひろし)
役 職 麻酔科医師
卒業年度 平成22年
資 格
◆ 日本麻酔科学会認定医
◆ 麻酔科標榜医
村上 裕亮(むらかみ ゆうりょう)
役 職 麻酔科医師
卒業年度 平成25年
資 格
◆ 日本麻酔科学会認定医、専門医
◆ 麻酔科標榜医
中島 真也(なかしま しんや)
役 職 麻酔科医師
卒業年度 平成28年
資 格
◆ 日本麻酔科学会認定医、専門医
◆ 麻酔科標榜医
宮阪 牧子(みやさか まきこ)
役 職 麻酔科医師
卒業年度 平成31年
◆ 麻酔科標榜医